営業活動を効率化するため営業支援ツールSFA(Sales Force Automation)/CRM(Customer Relation Management)を導入する企業が増えています。SFA/CRMには顧客管理機能や案件管理機能、商談管理機能などがありますが、特徴は各SFAツールによって様々です。
本記事では現場担当者が「使いやすい」と評判のSFAツール「cyzen(サイゼン)」の機能や評判・口コミを紹介します。
cyzen(サイゼン)とは?
cyzenは前述した通り現場担当者の利便性を一番に考慮して設計されています。現在は不動産や飲食、医療系など多様な業界の500社以上で稼働しています。
- cyzenの基本概要
- cyzenの特徴
cyzenの基本概要
cyzenはレッドフォックス株式会社が提供するSFAツールです。現在では株式会社ロッテリアや三井住友海上あいおい生命など500社以上で稼働しており、営業の可視化、効率化、DX化を支援しています。
cyzenの特徴
cyzenは現場での使いやすさを優先して設計されたSFAツールで、スマートフォンやモバイル端末で操作可能です。PCを開かなくてもデータ入力や閲覧ができるようになっていて、営業担当者の英弁性を最大限考慮しているのが特徴です。
cyzen(サイゼン)の主な機能
cyzenの主な機能を紹介します。
- 1. 位置情報を活用した営業支援機能
- 2. スマホアプリでできる報告機能
- 3. 顧客データと行動データの一元管理機能
- 4. チャットと内線通話のコミュニケーション機能
- 5. 業務改善をサポートするデータ管理機能
1.位置情報を活用した営業支援機能
cyzenでは位置情報と連携し、顧客情報を地図上に「スポット」として表示できます。過去の商談やアクション履歴も地図上から確認できるため、出先でも簡単に確認できるほか、その日の営業スケジュールを地図を参照しながら調整することができます。空き時間に近場のスポットを確認し足を運ぶことができる利点があります。
2.スマホアプリでの報告機能
cyzenはスマホアプリから利用できるのが大きな特徴です。スマホアプリには報告機能があり、フォーマットに沿って入力するだけで商談結果を瞬時に共有できます。その都度PCを開くことなく、次の営業現場に向かう移動中に報告をクイックに共有することができます。また、そうして共有された報告をもとに上長や同僚はアドバイスすることができます。
3.顧客データと行動データの一元管理機能
顧客データと顧客の行動データを一元管理できます。顧客データは一元管理することで詳細な分析が可能になるほか、営業担当者間での情報共有も効率的にできるようになります。また、行動データも一元管理することで成約に向けたプロセスの確立や解約につながる行動の分析なども可能になります。
4.チャットと内線通話によるコミュニケーション機能
自社cyzenユーザー間で個別、プロジェクト単位でチャットすることができます。音声・ビデオ通話はもちろんのこと、勤務外のメンバーへの通話に制限をかけたり通知をきったりすることができます。また、PDFなどの資料も送付可能です。
5.営業活動の自動記録機能
cyzenでは営業担当者であるユーザーの行動履歴をすべて自動記録できます。訪問先の滞在時間などの訪問ログが履歴として残ることで営業活動の無駄を見える化できるほか、内勤との信頼関係を築くことができます。また、端末のGPSと路線情報サービスの情報によりユーザーが移動に利用した交通機関を特定できます。交通費を自動で算出できるため、煩わしい交通費の精算も効率化することができます。
cyzen(サイゼン)の料金体系
cyzenの料金体系は以下の通りです。
- 料金プランの種類と特徴
- 他社SFAとのコスト比較
料金プランの種類と特徴
cyzenではユーザー数や使用できる機能などに応じて3つのプランを利用することができます。なお、いずれのプランも月額費用に加えて別途、初期費用が発生します。
プラン名 | 利用期間 | 特徴 | 1ユーザーあたりの月額費用(税抜き) |
無料トライアル | 14日間 | スタッフによる初期設定や操作確認などのサポート | 無料 |
スタータープラン | 月額 | 中小企業向けプラン。契約は10IDごとのご購入。 | 3,500円~ |
プロフェッショナル
プラン |
月額 | 中小企業向けプラン。契約は10IDごとのご購入。 | 4,000円~ |
グロースプラン | 月額 | 大企業向けプラン。契約は1企業1本のご購入。 | 要問い合わせ |
他社SFAとの費用比較
cyzenの料金体系は他SFAツールと比べ、比較的安価に設定されています。例えば、代表的なSFAツールであるセールスフォース・ジャパン社のセールスクラウドの中小企業向けプランと比較すると、セールスクラウドは1ユーザーあたり月額9,600円(Professionalプラン)なのに対し、cyzenでは月額4,000円からとなっています。cyzenは他のSFAツールと比較しても安価に導入できることが分かります。なお、上記値段は税抜き価格です。
cyzenの口コミ・評判
cyzenは営業現場での利便性を最優先に考慮し設計されたSFAツールです。本章では実際に導入した企業の口コミや評判を紹介します。
- ポジティブな口コミ
- ネガティブな口コミ
ポジティブな口コミ・評判
やはり現場での使いやすさを評価する声が多くあがっています。中には、「日報を書くために帰社する必要がなくなり直行直帰型の営業スタイルに変更できた」とするコメントもあり、その結果、一日の訪問件数を2倍に、一人あたりの一日の残業時間を平均1時間削減できたといいます。また、地図との連携を評価する声も多く、「エリアごとに最適な指示が出せるようになった」「現場担当者の位置が分かるので緊急出動の指示が出しやすくなった」といったコメントもありました。地図機能を活用することでバックオフィスも含めた営業活動を効率化する効果があるようです。
ネガティブな口コミ・評判
一方、ネガティブな評判としては「分析機能が弱く営業組織全体の改善が難しい」といった声があがっています。cyzenでは営業担当者の行動把握といった面では強みを発揮しますが、営業プロセスの改善といった役割は向いていないということができます。
他には「訪問先に資料などをスムーズに共有する機能がない」「顧客に関する詳細な情報の検索がしにくい」といった声があがっていました。
cyzen(サイゼン)の導入がおすすめな企業
ここまでcyzenの特徴や評判を紹介してきました。他SFAツールもある中で、cyzenがどのような企業に向いているのかを解説します。
- cyzenが向いている企業の特徴
- 導入が難しい場合は他SFAの検討を
cyzenが向いている企業
cyzenは特に外回りのような外勤営業がメインの企業におすすめのツールです。cyzenでは地図機能や営業活動の自動記録など、外勤中の営業活動をサポートする機能が充実しています。外勤営業の機会が多い企業には活用するメリットがあります。
また、既存顧客が固定されるルート営業がメインの企業にもおすすめです。顧客情報の大幅な更新が少なく、営業活動の法の効率化が求められている場合はおすすめのツールとなります。
cyzenの導入が難しければ他SFAツールの導入検討
一方、cyzenの導入が向いていない場合は他SFAツールの導入を検討しましょう。cyzenには顧客情報の管理項目が少なく、カスタマイズが難しいといった特徴があります。営業活動の記録は得意な一方、顧客情報の管理は苦手ということができます。顧客情報を詳細に分析できないため、新規顧客の獲得を目指す企業や顧客管理・営業管理を複数のシーンにあわせて調整したい企業には不向きといえます。SFAツールの中には顧客情報の管理項目が充実していてデータ収集項目をノーコードで設定できるツールもあります。自社の目的に応じて、最適なSFAツールを選択するようにしましょう。
cyzen(サイゼン)の導入事例
cyzenは外回りのような外勤営業が多い企業やルート営業が多い企業におすすめであると解説しました。本章では実際にcyzenを導入した企業の事例を紹介します。
- 労働環境改善と売上向上ができた成功事例
- 業務工数の削減とモチベーション向上ができた成功事例
残業時間を大幅削減|建築業界
住宅リフォームや住宅資材の製造・販売を行うヤシオトーヨー住器株式会社では作業報告や行動管理を手書きの報告書で行っていたため、報告が一日遅れるといった課題がありました。また、そうしたアナログで非効率な業務があるがために長時間労働を助長し、若手人材が入ってこないことから人の動きや労働時間を管理する必要性を感じていました。
同社はcyzenを導入し、大きなディスプレイに顔写真付きで位置情報を表示できるようにしました。これにより、遅延している作業をリアルタイムで把握し人員を動員できるようになったほか、トラブルが生じた際の緊急対応を迅速に実行できるようになりました。
結果、同社では無駄な作業を効率化し労働時間を短縮できたことから、一人あたり月平均20~30時間程度あった残業を4~6時間程度まで削減することに成功しました。
報告業務の効率化|保険業界
生命保険事業を展開する三井住友海上あいおい生命保険株式会社では営業訪問後に行うExcelやメールを使用した報告のため帰社しなければならず、生産性を大きく損ねていることが課題となっていました。また、報告内容が蓄積されず共有される内容も限定的だったため、部門間コミュニケーションが十分に行われていないことも課題となっていました。
同社はcyzenを導入することで営業担当者が出先からもスマートフォンを使ってリアルタイムに営業進捗の報告ができるようになったほか、cyzen内に報告内容を蓄積し他部門にも共有できるようになりました。また、cyzenによって営業担当者の行動を確認することでマネージャーは適切なタイミングでアドバイスを提供できるようになりました。
結果、コミュニケーションのスピードも向上しフィードバックの遅れによる生産性の低下を解消することができるようになったほか、訪問前の準備も効率的に行えるようになりました。
cyzenのまとめ
cyzenは現場担当者の使いやすさを優先して設計されたSFAツールです。スマホから報告を完了できるほか、地図上に顧客情報を登録し外回り営業のサポートをします。また、営業担当者の行動を自動記録できるため、営業状況の把握を簡単に行い上長は適切なフィードバックを提供することができます。
一方、営業担当者の行動管理機能は充実している反面、顧客情報については管理項目が少ないなどのデメリットがあります。顧客が固定されているルート営業などのスタイルをとる企業におすすめのツールでもあります。